#021 その後の大手信託銀行ファンドラップ体験記


昨年(2022年)9月に「その高コストから金融リテラシーが高いと自負している人たちは見向きもしない」とされている大手信託銀行のファンドラップを最低販売金額500万円分購入してみたという「シェフの気まぐれサラダとファンドラップ https://note.com/yamada_nick/n/neea2bdbcc9d3」を投稿しました。

今回はその後の報告ですが、当時購入した理由は以下の通りです。

理由1:手数料負けしないで脱出する方法を見つけた。

理由2:ファンドラップ商品購入経験なしに批評することを避けたかった
(というのは嘘で、ブログのネタにしてみたかった)。

理由3:不透明な金融情勢の中で他人のせいにできる投資をしたかった。

結論から入りましょう。

運用開始から4か月弱経過した12月末時点の結果は(写真1)の通り67,317円の損失でした。

投資顧問報酬(1.54%)が差し引かれるファンドラップ口座500万円に対して1.35%のマイナスですから運用自体は黒字であったかの誤解を与えそうですが、それは違います。

9月頭に投入した500万円の資金は「エントリー分散型」であり、3か月毎25%ずつの運用開始ですので、12月末段階では半分の250万円は「待機資金」であり、運用開始された250万円も125万円は4か月弱、残りの125万円に至っては1か月弱という短期間での結果となります。

さらに「投資顧問報酬」の引落しも現状反映されているのは1,370円だけでこれから本格化しますので、運用成績は「見事に撃たれている状況」です。


(写真1)

ファンドラップ購入理由3に、「他人のせいにできる投資をしたかった」ことを挙げていましたので、ここは担当ファンドマネージャー様に一言毒づかさせて頂きたいと思います。

「あのさあ、3か月毎に愚直に速攻で25%ずつ資金を投資商品につぎ込まなくてもよかったんじゃない? “待つのも相場”って言うでしょ。いや分るよ、投入許可のでた資金は早々に運用開始して一刻も早く投資顧問報酬と信託報酬を課金したいのは。でもサラリーマンとはいえ、もう少し工夫できなかったかなあ」

失礼しました。

ファンドラップ購入理由2は「ブログのネタにしてみたかった」でしたので、素直に感謝申し上げたいと思います。

「ブログに追加投稿したくなるような運用結果報告をどうも有難う」

さて、ファンドラップ購入理由1は「手数料負けしないで脱出する方法を見つけた」でした。

これは凶器のような投資顧問報酬1.54%+信託報酬平均0.45%程度の合計約2%を銀行様に支払っても、分散エントリーを選択したので購入後6か月弱以内に脱出すれば、ファンドラップと抱き合わせ購入した年利7%の3ヶ月定期預金500万円分の利息で逃げ切れるという計算でした。

実際(写真2)の通りキャンペーン定期はその役割を粛々と果たしてくれたのですが、この並記された2つの数字を眺めるとあることに気が付き舌を巻きました。

それは抱き合わせ定期預金で稼いだ税引き後70,299円の利息と12月末現在のファンドラップの評価損67,317円の差額は僅かに2,987円だけであり、合計金額は投入した1千万円ちょっとプラス位であるということです。


(写真2)

冷静に考えてみると、俳優としてもご活躍中の佐藤浩市さんや木村文乃さんの大手信託銀行ファンドラップの運用マネージャーが下手っぴな訳がありません。

きっと最初の4半期毎報告書ではその実力を逆説的に魅せようと「これが今回の芸術的な落としどころ」と、初期合計投入金額1千万円に合わせてきたのでしょう。

また、解約してしまうと(写真3)のような毎月送付されてくる健康管理情報も掲載の素敵な会報をもう読むこともできなくなります。(実はまともに開いたことはありませんが)

 


(写真3)

私は決めました。

ここはでーんと構えて、このファンドラップを最低1年は継続して本気の実力を見せてもらうことを。

昨年末には銀行担当者のお姉さんから「ご心配をおかけしております」と、まるで自分の過失を謝罪するようなお電話まで頂きました。

この1.54%の投資顧問報酬は「素敵な会報誌代」や「お詫びの電話代」も含まれていることを忘れてはいけません。

本年9月末の運用報告をご期待ください。

追記:

大手信託銀行のロビーや個別面談ブースには大手通信会社のスマホショップと同じ空気が流れています。

そこは、やれ暗証番号なんか覚えていないと大騒ぎしていたかと思うと、新たな契約を終えての帰り際に袋いっぱい詰められた日用品をもらいご満悦なお年を召された方々の素敵なサロンの場です。

信託銀行の一角にスマホショップも併設し、ワンストップ化すれば通信業界とWIN-WINの関係を築けるのではないでしょうか。

いつか佐藤浩市さんに銀行でお会いする機会があれば本案を提言してみようと思います。

2023年02月08日